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2021-04-08

【BOOK】魚食から文化を知る〜ユダヤ・キリスト・イスラム 文化と日本〜

魚に興味を持ったことはあまりなかったのだが、タイトルが秀逸な本に出会った。
これだ。


前書きにも、「日本人はキリスト教というとヨーロッパ世界のものと考えがちだが、生まれ育ったのは東アジアの日本と相対する西アジア地域であり、古代オリエントの文明の地でもあった」とあるように、キリスト教は古代はアジアで東方キリスト教として、ほぼユダヤ教に近い形のまま普及していた。

「そうしたなかで、キリスト教のベースとなったユダヤ教は都市生活から生まれたものではなく、羊・ヤギなどの家畜を飼って暮らす遊牧の生活から誕生した。これは文化を理解する上でとても重要なことである。〜中略〜ところでキリスト教がユダヤ教、イスラム教と違うのは、今日のイスラエルのガリラヤ湖周辺で布教が行われ、イエスの弟子の多くがガリラヤ湖周辺で魚を取り生計を立てていた漁師であったことだ。そのため、「都市の宗教」「商人の宗教」と「交易の宗教」のイスラム教とは異なり、キリスト教の生まれは「湖の宗教」「漁師の宗教」とも言える。」

また、初期のキリスト教はそう言った事情もあって十字架のイメージが定着する前は魚のモチーフが用いられることが多かったようだ。水の中に住む魚には邪心がないというふうに考えられていたり、「眼から鱗がおちたようだ」という表現が新約聖書で用いられていたりなど、ほんとうに身近に魚が関係していることがわかる。

そういったキリスト教と魚の関係が書かれている以外は、特に宗教的な話は見られない。筆者の魚への愛がただただ感じられる本であった。ティラピアから、イスラームでの魚料理の代表、カラマリタウやサバサンドの話や、日本での魚肉ソーセージやカラスミ、キャビアの話など、魚が好きな人にとってはたまらなくたのしい本だろうと思う。

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